ECサイトのカゴ落ちとは?12個のカゴ落ちの原因と対策を現役ECコンサルタントが解説!

カゴ落ちの原因と対策を解説

ECにおいて、重要な指標の一つである「カゴ落ち」
カゴ落ち・カート離脱についてはこちらもチェック

今回は、現役ECコンサルタントがカゴ落ちの原因と解決策を解説します!

カゴ落ちに頭を悩まされている方や、カゴ落ち対策を特にしていない方は是非ご覧ください!

【こんな人におすすめ】

  • カゴ落ち率が高く、解決策に悩まれている人
  • カゴ落ちの対策を特に何もしていない人
  • カゴ落ちを今以上に減らしていきたい人

この記事を書いている「ぼく」のプロフィールはこちら

カゴ落ち・カゴ落ち率とは?

カゴ落ちとは、ユーザーがECサイトのカートに商品を追加したが、購入に至らず離脱することを指します。
カゴ落ち率とは、カートに商品を入れたユーザーのうち、カゴ落ちになってしまったユーザーの割合を指します。

別名は、カート落ちやカート離脱、カート放棄などとも呼ばれます!

カート落ちユーザーは、通常のお客様と比べると購入意欲が高いお客様なので、何とか購入に繋げて欲しいところですよね!

カゴ落ち率の平均って大体どのくらい?

自社のカゴ落ち率の良し悪しを判断するために、業界の平均値は知っておきたいですよね!
米国Baymard Instituteの調査資料「41 Cart Abandonment Rate Statistics」では、世界のカゴ落ち率の平均は69.57%とされています。 株式会社イー・エージェンシーが調査した日本でのカート離脱率は平均68.2%という調査結果を発表していますね!
つまり、業界平均のカゴ落ち率は68~70%程度です。
カートに入れた人の10人に6~7人が離脱していることになります。
カート離脱率が10%改善されるだけでも大きなインパクトになるので、重要視されるのも納得できますよね!

カゴ落ち率の主な原因は?

想定よりも費用(送料・手数料)がかかる

送料や決済手数料などが発生すると、お客様は想定外の費用を払うことになりかねないため、カゴ落ちリスクが増えます。

Baymard Instituteの調査によると、カゴ落ちを引き起こす最も高い理由が「送料や決済手数料などがかかること」だとしています。

※参考資料: Baymard Instituteの調査資料「41 Cart Abandonment Rate Statistics」の数値

購入にアカウント登録が必要

会員登録を行わずとも購入ができる場合もありますが、多くのECサイトではアカウント登録が必要になります。

そのアカウント登録が手間に感じるユーザーは一定います。

次回以降を考えると手間は省けますが、初回で離脱されないアカウント登録を設計することも大事かもしれませんね。

支払方法が少ない

支払い方法が少ないと、使える支払方法(決済手段)が無いということにもなりかねません。

例えば、クレジットカード決済しかできない場合、クレジットカードを持っていない学生は購入ができないことになります。

支払い方法が少ないこともカゴ落ちリスクが増加します。

普段使っている支払方法が無い

最近では、毎回利用する支払い方法を決めている人もいらっしゃいます。

支払い方法を決めている人は、ポイントが溜まるポイ活をしていたり、手間を極力省きたいというのが主な理由です。

そのため、シェア率の高い支払い方法が拡充していない場合は、カゴ落ちリスクが高まる可能性はあります。

購入までのプロセスが長い

購入までのプロセスが長いと、面倒くさくなり、離脱する可能性があります。

大手ECサイトでは、ワンクリック決済などを導入している場合もあり、手間を極力省くことに専念している印象です。

購入までの画面遷移数や入力項目数などを、確認してみると、課題が見つかるかもしれないですね。

購入までにエラーが発生する

購入しようと思っていたが、システムエラーやバグにより購入できなかったケースです。

これは、ユーザーの意志関係なく、カゴ落ちに繋がるので、非常にもったいない事例です。

機能のリリース直後などは、ご注意ください。

合計金額が高かった or 分からなかった

送料や決済代行手数料はもちろん、配送日の指定に費用がかかったり、ギフト梱包に費用がかかったり、想定以上の金額になるケースがあります。

また、合計金額がどこで確認できるか分からないケースは不安を煽り、カゴ落ちに繋がるケースもあります。

クレジットカード情報の入力が不安

人によっては、セキュリティに不安を抱き、クレジットカード情報の入力に戸惑うケースがあります。

その結果、カゴ落ちに繋がり、大手ECなどの信頼性の高いサイトに流れてしまうこともあります。

配送日の指定が出来ない

ユーザーによっては「誕生日プレゼントに間に合わせたい」「週末の休みに使いたい」など、配送日を指定したいケースがあります。

そういったケースは、ユーザーニーズを満たせず、カゴ落ちに繋がります。

配送が遅い

「配送日の指定が出来ない」と近いですが、こちらは配送に時間がかかりすぎるという原因です。

特に指定日はないけど、配送に時間がかかりすぎると、他社に流れるケースや諦めてしまうケースも発生します。

返品ポリシーが不安 or 不明

ECは、商品を手に取ってみることが難しいため、購入時に返品ポリシーを確認するユーザーも多数います。

そこで、返品ポリシーが曖昧だったり、記載されていない場合、不安が強くなり、カゴ落ちに繋がるケースもあります。

決済でオーソリ非承認となった

せっかく購入するつもりであっても、クレジットカード決済や後払い決済でオーソリが非承認になるケースがあります。

例えば、3Dセキュアやセキュリティコードの本人確認などを導入している場合、セキュリティにおけるリスクヘッジにはなっている一方で、通常のお客様が購入しづらい状態になっていないかを確認してみると良いでしょう。

実体験も踏まえたカゴ落ち防止策12個!

商品代金以外の手数料を極力下げる

送料や決済代行手数料を極力下げ、商品代金以外の金額ボリュームを増やさないことが一つの戦略です。

とはいえ、商品単価の安い商材などは、送料比率や手数料比率が圧迫するため、難しい場合もあると思います。

送料や決済代行手数料を一律で下げることが難しい場合は、購入金額ごとに送料を設定するなど、工夫すると、客単価UPにも繋がり、送料比率の圧迫を最小限に抑えることができます。

送料無料などのキャンペーンを実施する

送料や決済代行手数料でカゴ落ちするユーザーに効果的な施策の一つに、販売促進施策があります。

送料無料や決済代行手数料無料のキャンペーンなどを一定期間実施し、「今だからこそ買う理由」を作ってあげることで、カゴ落ちしていたユーザーが戻ってくるケースもあります。

送料比率などがどうしてもネックになるEC運営者の方は、カゴ落ちユーザーの属性を分析し、そのユーザーにのみ適用するキャンペーンの実施などを行うと、より効率的だと思います。

しかし、キャンペーンを頻発しすぎると、ユーザーがキャンペーンを待ち始めるケースもあるので、注意が必要です。

ゲスト購入可能にする

「会員登録がめんどくさい」というユーザーに対し、会員登録しなくても購入できる方法を用意してあげることも一つの手です。

住所や決済情報は入力する必要がありますが、入力事項を必要最小限に抑えれば、離脱を最小限に抑えられます。

とはいえ、会員になってもらった方がリピート購入に繋がりやすいので、その場合はゲスト購入の情報入力時に「会員登録も同時に行う」というチェックボックスをつけるだけで、会員になってくれるケースも一定担保できると思います。

会員登録の入力項目を最小限にする

前述した「ゲスト購入可能にする」という対策と似ていますが、こちらは会員登録をしてもらうことが前提です。

  • 会員登録ページで不要な入力はないか?
  • 選択式に出来るが、自由記述の項目はないか?

極力、会員登録が楽にできるようにするのも、対策の一つです!

支払い方法を増やす

支払い方法を増やすことで、カゴ落ち対策に繋がります。

ただ、支払い方法がたくさんあればいい訳ではないので、シェア率の高い主要な支払い方法を優先的に取り揃えることをお勧めします。

決済手数料率は決済手段によって異なりますが、相場は2~5%程度だと思います。

その辺も踏まえて、導入する決済手段を決める必要があります。

カート画面・購入画面のUI改善

カートまでのプロセスが長かったり、合計金額が分からないケースを解決するためには、UIの改善です。

カート画面や購入画面で合計金額が確認しやすく変更するのはもちろんのこと、

  • カートから購入完了までのページ遷移数は?
  • カートから購入完了まで入力項目は何個
  • 自由記述ではなく選択式に出来る項目は?
  • 必須ではなく任意で良い項目はない?
  • より直感的な操作性にするには?

などを検討し、プロセスの改善を行いましょう。
カートから購入までのUIを改善することで、カゴ落ちがグンと減るケースもあります!

SSL証明書を表示する

SSL証明書の役割を簡単に言うと、個人情報やクレジットカード情報などの通信データを暗号化することです。
暗号化することにより、セキュリティ面の安全性が一定担保されます。

SSL証明書をサイト上で表示することで、ユーザーが抱くセキュリティへの不安を一定取り除くことができ、カゴ落ち防止に繋がることがあります。

表示方法は、他社ECサイトなどを参考にすると良いでしょう。

配送日指定を可能にする

プレゼント用で購入する場合や、週末しか受け取れない場合など、配送日の指定をしたいケースは存在します。

だからこそ、配送日指定を可能にするだけでも、カゴ落ち防止に繋がります。

物流会社も絡む配送関連の改善は、少しハードルが上がる反面、他社との差別化にもなりやすいポイントです。

配送スピードを上げる

「とにかく早く届けてほしい人」もいれば、「遅すぎる配送は嫌な人」もいます

最低限抑えたいのは、配送に時間がかかりすぎていないか?という点です。

  • 受発注を行っており、1ヶ月以上かかる
  • 注文から発送まで通常1週間以上かかる

上記のような状況がある場合は、見直すことでカゴ落ち防止に繋がる可能性が高いです。

返品ポリシーの明記と見直し

返品ポリシーはどこに記載されていますか?

もしも分かりにくい場所に記載している場合は、ヘルプページなどの不安を解消してあげるページを活用し、明記することをお勧めします。

また、商材によっては、返品不可や返品条件が厳しい場合にカゴ落ちリスクが高まるケースもあるので、返品ポリシーの内容を見直すこともお忘れなく!

カゴ落ちへのフォローメールを実施

ユーザーの中には、「とりあえず気になった商品だからカートに入れておいた」という人も少なくありません。

そういうユーザーは、カートに商品を入れたことを忘れているケースやセール待ちをしているケースがあります。

だからこそ、「カートに商品を追加してから◯日後にメールを配信する」などの対策を打ち、思い出してもらうことで、購入に繋がるケースも多々あります!

カゴ落ちへのポップアップを実施

前述した通り、ユーザーの中には、カートに商品を入れたことを忘れているケースやセール待ちをしているケースがあります。

そういうユーザーが再びサイトに訪れた際に、画面上に「カートに入れた商品がありますよ」とアナウンスを流すことも一つの手です。

その時に該当商品がセールになっているなら「セールになっています」というアナウンスを流すと、より効果的かもしれませんね!

カゴ落ち対策ができるカートシステムご紹介!

今回ご紹介するカートシステムは3つ!
最初に比較表をお見せします!

費用 カゴ落ち
対策
サイト構築
自由度
運用
難易度
サポート
体制
おちゃのこネット × ×
MakeShop
futureshop × ×

【初めてのECサイトなら】おちゃのこネット

おちゃのこネットは、低価格で運用できる上にカゴ落ち対策もできるカートシステム!
なんと延べ90,000店舗以上に選ばれています!

◯費用感(税抜)
・初期費用:無料〜
・月額費用:無料〜
・決済手数料:6.6%
※プランにより費用感は異なります。

◯良い点
リスク無くECを始められる
運用難易度が低い
AIなどを活用したカゴ落ちフォロー機能が活用可能
※月額1,100円(税込)がかかります

◯懸念点
サイト構築の自由度が低い
サポート体制が手薄

おちゃのこネットは、EC運営の初級者〜中級者向けのカートシステムです。

おちゃのこネットの詳細を知りたい方はこちら
※おちゃのこネットは初期費用、月額費用無料のプランがあります。


【多彩な機能を使いたいなら】MakeShop

MakeShop(メイクショップ)は、futureshop同様実績のあるカートシステム!
あのGMOグループが運営しています。利用事業者は10,000店舗以上!

◯費用感(税抜)
・初期費用:10,000円〜
・月額費用:10,000円〜
※一定期間での契約で割引あり

◯良い点
業界No1の機能数:651機能
 = カゴ落ち対策の機能も充実!
売上が上がれば運用コストが抑えられる

◯懸念点
数万円単位の運用コスト
 = これから始める場合はリスク大
・機能が多くて運用難易度が少し高い

MakeShopは、EC運営の中級者〜上級者向けのカートシステムです。

⏩ MakeShopの詳細を知りたい方はこちら
※MakeShopは無料体験も可能です。


【本格的なサイトを作るなら】futureshop

futureshop(フューチャーショップ)は、実績と自由度を兼ね備えたカートシステム!
稼働店舗数は、2,900店舗!

◯費用感(税抜)
・初期費用:22,000円〜
・月額費用:22,000円〜
※年間契約で割引あり

◯良い点
・サイト構築の自由度が高い
 = カゴ落ち対策も充実!
コンサルタントによる相談が可能!

◯懸念点
・数万円単位の運用コスト
 = これから始める場合はリスク大
・自由度が高い分、運用難易度が高い

futureshopは、EC運営の上級者向けのカートシステムです。

⏩ futureshopの詳細を知りたい方はこちら
※こちらから資料請求ができます。

まとめ

カゴ落ちの基本概念、カゴ落ちが起きる原因とその対策をご紹介しました!

カゴ落ちは購入率(CVR)を改善するために、効果的な施策です。
※CVRとカゴ落ち(カート離脱)に関する記事はこちら

今回の記事でご説明した原因と対策を徹底すれば、カゴ落ち率(カート離脱率)は、ある程度改善されると思います。

ただし、他にも原因や改善策は隠れている場合もあるので、一度ご自身で考えてみてください!

もし、ご相談などがあれば、お問い合わせページからご連絡ください!
※お問い合わせページはこちら

それでは、今回はこの辺で〜!