【ECにおけるKPI】訪問者に紐づくKPIの考え方とは?

訪問者を増やすためのKPI

ビジネスにおいて、重要なKPIの設定!

前回は、ECにおけるKPIの大枠「訪問者・購入率・客単価」についてご紹介しました。
※KPI関連記事「【ECの超基本】KPIの設定方法」はこちら
※KPI関連記事「【初心者必見】購入率(CVR)に紐づくKPIを一挙紹介!」はこちら

今回は、訪問者に紐づくKPIをご紹介!

【こんな人におすすめ】

  • 「訪問者を増やしたいけど具体的な施策が分からない人」
  • 「訪問者が課題で色んな施策をやってみたけど効果が出なかった人」

訪問者という課題だけだと、課題の抽象度が高いため、効果的な施策を洗い出すことが難しいです。
この記事をご覧いただき、「訪問者」という課題を分解して、より具体性の高い課題を見つけ、効果的な施策を考えてみてください!

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「訪問者」を課題と捉えると、失敗しがちな理由とは?

ECサイトにおいて、超重要な要素の一つである「訪問者」

「多くの人に来てもらった方が、購入する人が増えて、売上が上がるよね!」

上記のように、訪問者が増えれば売上高は増加しやすい傾向にあります!

しかし、その考え方が先行するあまり、以下のような思考になる人が多いなーと感じています。

  • よし、訪問者を増そう!どうすれば訪問者が増えるだろう?
  • 訪問者が減ってきた!訪問者を増やす方法を模索しよう!

これは、「サイト全体の訪問者=解決すべき課題」として捉えていることになります。
しかし、この考え方では、なかなか効果的な施策が洗い出せません。

その理由は、何をどう改善すれば、訪問者数が増えるのかが分からないから」です。

注意:サイト全体の訪問者は直接的に解決すべき課題ではない!

「サイト全体の訪問者=解決すべき課題」と捉えている人の思考回路は

  1. 訪問者が課題だ!
  2. 訪問者を増やす方法を考えよう!

という2ステップの思考になりがちです。

その結果、Web広告の実施や、インフルエンサー施策、SNS運用といった、何となく訪問者数が増えそうな手段に焦点が当たりがちです。

しかし、仮にコアユーザーが80歳だった場合、Web広告を実施するよりも、インフルエンサー施策を実施するよりも、新聞への出稿やカタログへの掲載の方が効果が上がるかもしれないですよね?

訪問者解決のために手段ばかり考えるのは、どこに的があるか分からないのに闇雲に銃弾を打っているのと同じです。
ちゃんと的を定めて、その的を目掛けて正確に発砲すれば、クリーンヒットする確率が格段に上がります!

ペルソナを設定した上で、訪問者に影響を及ぼす要素を細分化し、最もクリーンヒットするであろう新たなKPIを設定すること結果的に訪問者増加の鍵になります。
※ペルソナ設定については別記事でご紹介します。

訪問者に影響を及ぼす要素

訪問者に影響を及ぼす要素を具体例も交えながら細分化してみましょう!

「ぼく」の経験を踏まえ、2つの観点からご紹介します。

  1. 直接的な要因を洗い出す
  2. 間接的な要因を洗い出す

直接的な要因を洗い出す

こちらは、ロジックツリーを用い、訪問者に直接的に影響を与えている要因を洗い出します。
※ロジックツリーとは、ある概念の要素を分解していく際に用いられる思考方法です。MECE(漏れなくダブりなく)を意識すると、効果的だと言われています。実際のロジックツリーは下図をご覧ください。

ここでいう直接的に影響を与えている要因とは、その要因の数値が上がればサイト全体の訪問者数も必然と増加するものを指します。

実際に作成してみたロジックツリーがこちらです👇

訪問者の要素分解<ロジックツリー>

画像を見ると分かるように、まずは訪問者を新規訪問者既存訪問者に分けます。
今回は、新規訪問者=まだサイトで購入した実績が無い訪問者、既存訪問者=1回以上サイトで購入した実績のある訪問者としましょう。
※この場合、訪問者は新規訪問者と既存訪問者の2パターンしか存在しません。(これがMECEです!)

その後、新規訪問者と既存訪問者それぞれで、ユニークユーザー数(UU数)訪問回数の2つに分解されています。
ユニークユーザー数(UU数)とは訪問した人数を指しており、訪問回数とは1人がサイトに訪れた回数を指しています。

このように分解することで、訪問者の中でもボトルネックとなっている根本課題を発見することができます。

例えば、「分解してみたら、新規訪問者はすごい多かった!だけど、既存訪問者の訪問回数に課題があった。だから、一度訪れた人がもう一度訪れたくなるようなサイト作りを考えよう!」といった施策の立案にも繋がり、指標の改善に繋がるんです✨

今回は新規訪問者と既存訪問者に分解しましたが、流入経路別会員ランク別など、様々な観点からロジックツリーで分解し、自社に合ったKPI設定を模索してみることをお勧めします♪

間接的な要因を洗い出す

こちらは、仮説思考で、訪問者に直接的には影響を与えないが、間接的に影響を与えているであろう要因を洗い出します。

やり方は簡単です。訪問に関わる問いを考え、その問いを自分に投げかけます。
今回は前述した既存訪問者の訪問回数から考えてみましょう!

Q. どういうECサイトなら何度も訪問するだろう?
→ A. 魅力的な商品がたくさんあれば来るかも?
→ A. 魅力的な情報があったら来るかも?
→ A. 見やすいサイトだったら来るかも?
→ A. 自分たちのECサイトを思い出せば来るかも?etc…

上記のような仮説思考を進めた場合は、一例ですが、以下のような指標をKPIに設定してもいいかもしれないですね!

  • 魅力的な商品を増やすためのKPI
    →「販売中の商品数」
  • 魅力的な情報を発信していくためのKPI
    →「サイト内コンテンツ数」「SNSでの配信数」
  • 見やすいサイトを表すためのKPI
    →「既存訪問者のエンゲージメント率・直帰率・離脱率」
  • 思い出させるためのKPI
    →「ディスプレイ広告のCV数(ビュースルーCV数を含む)」etc…

間接的に影響を及ぼす要因がボトルネックになっているケースも多々見られるので、「ぼく」は直接的に影響を及ぼす要因だけでなく、こちらも重要だと考えています!

訪問者に間接的に関わるKPIが大きな影響を与える場合も!

注意点としては、たくさんのKPIを設定しないこと。
多くのKPIを設定すると状況把握や実施施策が増えるため、全てが中途半端になる恐れがあります。
そのため、訪問者に紐づくKPIは(ECサイトの規模感にもよりますが)、2~4つ程度絞ることをお勧めします!!

具体的な解決策の選定方法

さて、最後にKPIを設定した後の具体的な解決策の選定方法をご紹介します!

ここまでの話を実践し、クリーンヒットするKPIを設定できれば、あとはスゴイ簡単です!
手順としては、以下の通り!

  1. 設定したKPIを解決できる方法を羅列
  2. 羅列した施策から予算と影響度を考える
  3. 許容できる予算の中で最も影響度の大きいものから実施

この手順で優先的に実践していく施策を決めていきます!

ポイントは以下5つ!

💡解決策を羅列する際は、とにかく数を出す
※数を出さないと最適解は見つからない
💡解決策の優先度は、解釈だけで選択しない
※他社成功事例や事実ベースで極力選択
💡実施する施策でKPIがどの程度改善されるか試算
※目標数値に達しない場合、別施策も検討
💡ペルソナのインサイトを考えて施策内容を決定
※インサイト・ニーズにハマる施策内容を追求
💡考えすぎるくらいなら、まずやってみる
※施策を実行しないと何も始まらない

上記を実施したとしても、一発で当たらないこともあるでしょう!
だからこそ、思うような結果が出なかったとしても、原因を追求し、PDCAを回してみてください!

KPIを細かく設定することで、施策の成功確率は上がりやすくなります!
後は、PDCAを回し続けることで最速で成果を出せるはずです!

さて、今回は訪問者に紐づくKPIについてご紹介しました!
少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです♪

他の記事も是非ご覧ください!

それでは、この辺で!