こんにちは!
今回は、EC運営6年、アパレルEC経験もある著者が在庫管理のキホンである「ABC分析」について解説します。
☑️こんな悩みはありませんか?
- ABC分析ってよく分からない
- 在庫管理の考え方が分からない
- もっと効率よく在庫管理をしたい
💡この記事で分かること
- 効率の良い在庫管理の考え方が分かる
- ABC分析について分かる
目次
ABC分析を解説!
ABC分析とは?
ABC分析とは、商品の売上やコスト、在庫など、重要な指標を定め、大きい順に並べた上で優先度(A、B、Cなど)を決定して管理する方法です。
ABC分析活用のメリット
ABC分析を行うことで、商品単位で優先度を商品単位につけることが可能になります!
優先度を付けることで、効率良く経営資源の配分や施策の実施などを行うことができ、結果的に売上や利益につなげることが可能になります。
これがABC分析を利用する1番のメリットです!
ABC分析は「パレードの法則(2:8の法則)」が元となる分析方法であり、マーケティングなどに活用しやすいため、是非覚えてみてください。
※ちなみに、パレードの法則(2:8の法則)は売上の8割は上位2割の商品で作られており、残りの売上2割は8割の商品で作られるという法則を指します!
ABC分析実施の手順
ABC分析の指標を決める
まずは、ABC分析の指標を決めましょう!
例えば、以下のように何を軸として分析を行うかを決める必要があります!
- 売上の大きい順に優先度を決める
- 原価の高い順に優先度を決める
- 在庫の多い順に優先度を決める
よく使われるのは「売上」を軸として分析を行う方法なので、今回は「売上」を軸として事例を紹介していきましょう!
ABC分析を行うためのデータを集める
ABC分析の軸とする指標を決まったら、データを集めましょう!
今回は家電量販店を想定してみます!
今回は「売上」を軸にしているので、例えば以下のようなデータを用意します。
上記のように各商品を売上順に並べます。
データを準備できたら次のステップに進みます。
商品単位の累積構成比を算出する
データを集めた後は、累積構成比を算出しましょう!
今回は「売上」を軸にしているので、各商品の売上構成比を大きい順から累積で算出します!
※先ほどの表に付け加えたものが以下の表です!
上記のように売上の大きい順に売上累積構成比を算出します。
算出できたら、いよいよ優先度を付けるフェーズが次のステップです!
累積構成比を元に優先度付けを行う
売上の累積構成比を算出した後は、優先度付けをしてみましょう!
優先度付けの基準は様々ですが、今回は以下のような基準で設定してみます!
※基準は状況によって変わるので、自社に合った基準設定を考えてみてください!
- 優先度A:売上の累積構成比4割以下
- 優先度B:売上の累積構成比4割~8割
- 優先度A:売上の累積構成比8割以上
上記の基準を元に優先度を付けると以下のようになります!
上記を見ると、優先度Aが2商品、優先度Bが4商品、優先度Cが4商品ありますね。
この優先度に分けて、施策を考えてみましょう!
優先度に分けて施策を実施
ABC分析は在庫管理でよく使われます。
今回は、具体例として在庫管理の精度向上を目的として、在庫フォローの精度向上施策を想定します!
▼優先度Aの商品
先ほどの表を見ると、優先度Aである2商品で売上高の34.7%を占めています。
つまり、何が何でも在庫を切らしてはいけない商品です。
▼優先度Bの商品
優先度Bも売上高の80%を占める商品群なので、在庫を切らすべきではありません。しかし、優先度Aよりは発注数を減らしても良いと思います。なぜなら、優先度Aの方が在庫が切れた時の影響が大きく、販売数が鈍化するリスクが少ないからです。
発注から納品までの時間にもよりますが、例えば優先度Aが3ヶ月分の在庫を確保するのであれば、優先度Bは1ヶ月分の在庫を確保しておくなどの方法を取るのが良いのかもしれませんね。
▼優先度Cの商品
優先度Cについては「死に筋」と言われることもあるくらい売上への貢献は少ない商品なので、在庫の追加はせず新商品の開発などに時間を割いた方が良いかもしれません!
ABC分析の注意点
定番商品とトレンド商品を区別する
定番商品はABC分析で施策の優先度を決定できますが、トレンド商品については過去の実績だけだと判断できません。
・テレビに取り上げられる予定がある
・季節の影響で売上が上がる
このように一気に売上が増加する可能性のある商品は、ABC分析だけでは不十分です。
そのような見込みのある商品が別で管理して、1商品単位で施策の優先度を決定しても良いでしょう!
優先度に基づき施策内容を調整する
ABC分析を行い優先度が定まったにもかかわらず、管理しているだけで特に活用していない事業者を見かけることがあります。
管理することが目的ではなく、施策の優先度を定めて、売上や利益に繋げていくことが目的です。
そのため、優先度に合わせた施策内容の調整をして行きましょう!どの会社も人員不足です。だからこそ、限られた人員で成果を最大化するための優先度付けと施策内容の調整が必要不可欠だと考えています!
ABC分析の活用事例
とある企業では、ABC分析を行う際、優先度をA,B,Cではなく、S,A,B,Cなど独自の優先度付けを行い、管理しているようです。
▼基準の例
- Sは売上10%を占める大人気商品群
- Aは売上30%を占める商品群
- Bは売上80%を占める商品群
- Cは売上100%を占める商品群
優先度がSに近づくほど、在庫や販売状況を細かくチェックし、在庫フォローや販促施策、商品露出の確保などを調整していきます。つまり、継続して売れ続ける状態を作り続けることを重要視しています。
また、優先度がCに近づくほど、画像の差し替えや説明文の調整、セール施策の実施などを調整していきます。つまり、あまり売れていない商品を売れ筋にしていくことや、在庫消化を促すことを重要視しています。
ABC分析は型にはめるだけでなく、上記のように自社に合った分析方法にアレンジして活用することもオススメです!
さて、今回はABC分析を解説しました!
ご質問やECコンサルのご依頼は、コメントもしくはお問い合わせページまで!
それでは、今回はこの辺で〜!