今回は、ECにおけるKPIツリーを細分化して、ご紹介します!
現役ECコンサルタントの著者が、細かく解説しますので、是非最後までご覧ください!
☑️この記事はこんな人におすすめ
- ECサイトの課題設定に悩んでいる人
- ECサイトのKPI例を知りたい人
- ECサイトの課題を解決したい人
💡この記事で分かること
- ECサイトの課題設定の方法が分かる
- ECサイトの課題解決方法が分かる
※KPIの基礎を知りたい方は、こちらの記事「【ECビジネスの超基本】KPIの設定方法」もご覧ください!
目次
ECのKPIツリーを2種類ご紹介!
KPIツリーは、KPIを要素分解し、木の枝状(ツリー状)に細分化したものを指します。
KPIツリーのメリットは、各KPIの構造を明確化でき、改善すべき課題に焦点を当てることが可能です!
また、KPIツリーは1つではありません。
そこで、今回は、現役ECコンサルタントの著者が抑えておくべきKPIツリーを2つご紹介します!
KPIツリー①(サイト起点)
【解説】
1つ目のKPIツリーは、サイト全体から課題を洗い出し、サイト全体の改善に繋げるために活用します。
- 売上 = 購入件数 × 購入単価
- 購入件数 = 訪問回数 × 購入率
- 購入単価 = 商品単価 × 同梱数
上記のように、売上をKGI(最終ゴール)とし、購入件数と購入単価に分解。その後、要素を細かく分解していくと、上記のツリー状の図になります。
基本は方程式が成り立つように分解しますが、一番最後の階層は仮説も含め上位階層のKPIに寄与するであろう要素を並べています。
【メリット】
このKPIツリーを活用するメリットは以下の通りです。
- 売上増加を妨げるボトルネックの把握
- 売上に直結する改善策を把握
- 改善案の優先順位付けが行いやすい
- 改善案の成功確率が上がる
- 定点チェックで改善度合いが明確化
KPIツリー②(商品起点)
【解説】
2つ目のKPIツリーは、商品に焦点を当てて課題を洗い出し、商品の軸で改善に繋げるために活用します。
- 売上 = 注文された商品数 × 商品単価
- 注文された商品数 = 販売商品数 × 注文率
- 商品単価 = 定価 × 割引額
上記のように、売上をKGI(最終ゴール)とし、注文された商品数と商品単価に分解。その後、要素をできる限り分解していくと、上記のツリー状の図になります。
【メリット】
このKPIツリーを活用するメリットは以下の通りです。
- 商品の観点からボトルネックを把握
- 根本原因の抜け漏れ防止
- 商品企画も含め優先順位付けが可能
- 商品の健康状態(値崩れ等)を確認可能
- 定点チェックで改善度合いが明確化
KPIツリーの使い方は?事例をもとに説明!
実際にKPIツリーを作成して、説明します!
実績数値は薄黄色セル、目標対比をオレンジセル、昨年対比を水色セルとしています。
まずは以下の表をご覧ください!
※説明は後述します!
上記の図を見ると、KGIの売上が目標対比60.0%、昨年対比が85.7%になっています。
ここから売上が伸びていない原因を探します。
STEP①:課題の方向を定める
上図の事例をもとに考えていきます。
売上から分岐している「購入件数」と「購入単価」を見ます。
その結果、購入件数は目標対比60.6%、昨年対比83.0%に対し、購入単価は目標対比99.0%、昨年対比103.3%です。
この数値から、購入件数に課題があることが明らかになりました。
STEP②:根本原因を突き止める
課題のある「購入件数」から更にKPIを深掘り、根本原因を突き止めます。
STEP①と同じ要領で課題を深掘っていくと、購入率よりも訪問回数に課題があることが分かります。
更に深く掘っていくと、1ユーザーあたりの訪問回数より訪問者数に大きな課題があることが分かります。
つまり、このECサイトの売上が低迷している一番大きな原因は、訪問者数だったということになります。
STEP③:改善策に落とし込む
それでは、具体的に訪問者数を増やす施策を考えていきましょう。
闇雲に訪問者数を増やそうとするのではなく、訪問者の中でもどの訪問者を増やすべきなのかを考えて成功確率を上げましょう。
上図を活用し、流入経路別の訪問者数を見てみると、特に大きな課題(目標対比、昨年対比共に大きく100%を割っている項目)は以下3項目のようです。
- Organic Search経由
- SNS経由
- メルマガ経由
最後に、上記3つの流入経路から訪問者数が少ない原因を追求し、解決策に落とし込みます。
例えば、上記3つの流入経路が課題だった場合、以下のような原因が考えられます。
項目 | 想定される原因 |
Organic Search(自然流入)経由 | – 主要キーワードの順位が落ちている – トレンドキーワードの表示回数が減っている – 指名検索が減っている など |
SNS経由 | – フォロワー数が増えていない – 投稿回数が減っている – エンゲージメント率が減っている など |
メールマガジン経由 | – 有効リーチ数が減っている – 開封率が低下している – 配信頻度が減っている など |
上記のように想定される原因を出した上で、事実を確認します。
事実を確認し、改善すべきポイントを見つけたら、後はそれを改善するだけです。
例えば、Instagramのエンゲージメント率減少が1つの原因だった場合、
- 投稿内容の見直し
- インフルエンサーとタイアップ企画
- プレゼントキャンペーン など
このような改善策を出し、実行し、結果を確認。
後は、PDCAを回せば、徐々に数値が改善されていくはずです!
まとめ
今回は、ECにおけるKPIツリーを2種類と、KPIツリーの使い方をご紹介しました!
▼KPIツリーのまとめ
今回ご紹介したKPIツリーは以下2つ。
実は、見る側面を変えれば、KPIツリーはその他にも存在します。
例えば、訪問者を新規ユーザーと既存ユーザーに分けるKPIツリーや、購入回数別にユーザーを分解するKPIツリーなど様々です!
是非ご自身でも自社のECに合ったKPIツリーを考えてみてくださいね!
▼KPIツリーの使い方のまとめ
KPIツリーはまず実際に数値を入れてみることが重要です。
数字を並べてみることで、課題が浮き彫りになります。
課題が浮き彫りになると、改善策も簡単に出すことができ、後はPDCAを高速回転するだけで売上UPが期待できます。
EC売上規模が少し大きくなってくると、KPIツリーは大きな力になってくれるので、是非本記事を参考に実践してみてください!
ご質問やECコンサルのご依頼は、コメントもしくはお問い合わせページまで!
それでは、今回はこの辺で〜!